油圧及び油圧バルブについて

油圧及び油圧バルブについて

油圧は加圧された油を動力として、様々なものを動かす技術です。
主に①油圧ポンプ、②油圧バルブ、③アクチュエーターで構成されており、それぞれ人間の身体に例えるなら、①油圧ポンプは「心臓」、②油圧バルブは「筋肉」、③アクチュエーターは「手足」と考えることができます。

つまり、油圧バルブは人間の「腕を振る」動作で例えるなら、“腕の力加減“、“腕の振りの速さ”、“腕を振る方向“を考え実行する役目があります。
実際の建機などのアクチュエーターで考えれば、圧力、流量、方向を制御できるため、アクチュエーターの発進・停止、速度の増減、作動順序を制御することができます。

油圧バルブの種類

油圧バルブの種類はたったの3種類しかあません。①圧力制御弁、②流量制御弁、③方向制御弁です。

①圧力制御弁は主に「リリーフバルブ」、「カウンタバランスバルブ」、「シーケンスバルブ」。

②流量制御弁は主に「フローコントロールバルブ」、「スロットルバルブ」、「フローデバイダーバルブ(分流弁)」。

③方向制御弁は主に「チェックバルブ」、「パイロットバルブ」、「シャトルバルブ」。

「分流弁」とは

油圧回路を流れる油の流れを均等に2分配するときに使います。ただ単純に2分配する場合は二股の配管をするだけで可能ですが、荷重差があるときでも分流弁を使うことで均等に分配でき「同調作動」できます。

使用例としては、2本のシリンダーを均等に動かすこと(同調作動)ができるため、クレーン付きトラックや高所作業車などのアウトリガーを均等に伸縮させる機構に使われています。使い方はとても簡単で、既存の油圧回路内の分岐点に装着(設置)するだけで、大がかりな設備は必要ありません。
また「分集流弁(デコバルブ)」は1台のバルブで往復(行き・帰り)の同調ができます